大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

長崎海岸のテッポウエビ

本日の「海べのしぜん」で、私が採集したテッポウエビ類について報告します。大阪湾南東部の岩礁には縞模様のテッポウエビ類が生息し、イソテッポウエビとして記録されてきましたが、最近、斑紋のよく似た2種が混在することが明らかになりました(有山,2017)。本日は1個体のみの採集ですが、持ち帰って調べたところ、第3顎脚第2節に太短い棘状剛毛が密生していることから、オハリコテッポウエビAlpheus aff. heeiaであることがわかりました。コエビ類の第3顎脚は触角のクリーニングに使用されますが(Bauer, 1977)、この剛毛はどのような役に立っているのでしょうか。(有山)
[文献] 
有山啓之(2017)大阪湾南東部岩礁で採集された“イソテッポウエビ”について.大阪市立自然史博物館研究報告,71,1-9.https://omnh.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1234&file_id=22&file_no=2
Bauer, R. T. (1977) Antifouling adaptations of marine shrimp (Crustacea: Decapoda: Caridea): functional morphology and adaptive significance of antennular preening by the third maxillipeds. Marine Biology, 40, 261-276.