磯に出会いあり2 ギンカクラゲ
大阪湾海岸生物研究会の皆さん、合宿の中止は残念でしたね。紀伊半島、特に串本は大きく太平洋に突き出している関係上、北太平洋のどこに台風が発生してもすぐにその影響を受けて大きなうねりがやってきます。海が大荒れになると、浜には普段見ることのできない沖合の生物が打ち上げられることがあります。軟体動物では水面下を漂うルリガイ、アサガオガイ、アオミノウミウシなどです。浜辺ではまだルリガイなどは生きていることがあって、持ち帰って海水の水槽にいれると元気になり、水面に浮いているための泡の”いかだ”をせっせとつくるところを見せてくれたりします。
海面を漂うこれらの貝が何を食べているのかというと、クラゲです。写真のギンカクラゲが主な餌の一つです。ギンカクラゲをルリガイと一緒の水槽にいれておくと、それはそれはおいしそうにむしゃむしゃと食べてくれます。青い宝石といわれるアオミノウミウシもギンカクラゲをよく食べ、十分に食べた後はその神秘的な青がますます輝きを放つのだそうです。
このギンカクラゲは、2016年の合宿のおり、港の中に漂っていたものをバケツですくい上げ、写真に撮ったものです。無数に伸びた触手は刺胞毒があるとはいえ、うっとりするような美しさですね。来年こそはきれいな海で合宿が行われますように。