大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

長崎海岸のカイメンとホヤ類

カタカイメン  Leuconia dura

薄いカーキ色をした石灰海綿の一種です。さわった感じは固く、形は不定形です。表面は滑らかですがやや皺状になっています。骨片は矢車状のものが多く、これが体を支えますが、表層にはこのほかに微小な骨片が多数含まれています。詳しくは以下のサイトをご覧ください。

https://marine-fauna.wixsite.com/porifera/grantessa-mitsukurii-1

f:id:osakawan:20190518120129j:plain

 

マクワボヤ Cnemidocarpa clara

赤い色彩をした楕円形のホヤです。外皮には黄白色の多くの微小斑があります(写真1)。この種は以前、C. macrogastraと呼ばれていたことがありますが、この種小名は本種が大きな胃を持つことから来ているようです。その名の通り、この標本も胃が体の半分くらいを占めています(写真2 赤矢印)。生殖腺はくねくねと曲がったひも状のもので、写真ではわかりにくいですが体右側面に4本(写真2 黄矢印 3本しか示していませんが)、左側面に3本は確認できます。

f:id:osakawan:20190518132231j:plain

  写真1

f:id:osakawan:20190525174117j:plain

写真2                               (大谷)