豊国崎の定点で有山さんが転石下から採集された笠形の貝を持ち帰って調べたところ、セムシマドアキガイRimula cumingii A. Adams, 1853でした。殻の前側、正中線の肋上にしずく型の孔が開きます。「干潟の絶滅危惧動物図鑑」(日本ベントス学会編, 2012)では「内湾湾口部の平坦な礫干潟において砂に埋もれた転石下の還元環境に見られる」とあり、生息環境は概ね一致します。定点調査では初めての記録です。大阪湾内では対岸の由良で記録されており、兵庫県レッドリストではランクAとなっています。
(石田)