大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

城ヶ崎のアオホシフナムシ

山西さんの研究を引き継いでフナムシ類を調べていたのですが、その成果が、先日、論文になりました。論文の概要を述べますと、第2触角と尾肢が長く、オス第1胸肢の前節先端に突起のあるフナムシは今まで Ligia exotica とされていましたが、これにはトライフナムシ(改称)L. exotica、アオホシフナムシ(新種)L. laticarpa とフタマタフナムシ(新種)L. furcata の計3種が含まれていました。

当研究会の定点で観察されるフナムシ類は、第2触角と尾肢の短いキタフナムシ L. cinerascens のほかに、いわゆるフナムシが生息すると報告されていましたが、この種はアオホシフナムシになると思います。本種の一番わかりやすい特徴は、成体オス背面にあるアオホシです。城ヶ崎で撮影した写真を掲載します。

文献:Ariyama, H. and K. Hiki (2024) A morphological and molecular study of Ligia exotica Roux, 1828 (Crustacea: Isopoda: Ligiidae) from Japan, with descriptions of two new species. Zootaxa, 5453(4), 451-486.

https://www.mapress.com/zt/article/view/zootaxa.5453.4.1 (有山)

アオホシフナムシ(オス)

アオホシフナムシ(メス)