大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

シンポジウム開催のお知らせ

シンポジウム「はぜ!ハゼ!鯊!〜ハゼの多様性と生態の魅力に迫る〜」を下記のとおり開催いたします。■「はぜ!ハゼ!鯊!〜ハゼの多様性と生態の魅力に迫る〜」 ハゼ類は沿岸域に生息する小さな魚です。自然に親しむ方なら、誰もが一度は目にしたことがあ…

磯に出会いあり4 ベニタケ Terebra dimidiata 秋になると海岸生物の活動は少なくなり、このブログもすっかり静かになります。磯乞食とも呼ばれる海岸を跳梁する者たちがいなくなるからです。なぜか?その理由は明白です。「秋は潮が悪い」のです。 大潮の時…

磯に出会いあり3 ヒバリガイモドキ Hormomya mutabilis 今回の話題はヒバリガイモドキです。磯ではきわめて普通の二枚貝で、岩礁がこの貝で覆いつくされていることも珍しくありません。そんなにいっぱいいて食べ物に困らないのかというと困りません。食べ物…

磯に出会いあり2 ギンカクラゲ

磯に出会いあり2 ギンカクラゲ大阪湾海岸生物研究会の皆さん、合宿の中止は残念でしたね。紀伊半島、特に串本は大きく太平洋に突き出している関係上、北太平洋のどこに台風が発生してもすぐにその影響を受けて大きなうねりがやってきます。海が大荒れになる…

磯ノ浦のカニと貝

台風接近による合宿の中止は残念でしたね。時間が空いたので、行きそびれていた和歌山市磯ノ浦海水浴場に採集に行ってきました。やや外洋的な遠浅の砂浜です。種数は多くありませんでしたが、波打ち際で採集した動物2種を紹介します。一つはキンセンガニ Mat…

ピチピチビーチのヤカドツノガイ

合宿が迫ってきたので、素潜りの練習を兼ねて、箱作のピチピチビーチに行ってきました。砂浜のベントスはよく調べているのですが、今回は泥底のベントスを採集しました。離岸堤手前の水深約3m(干潮時)の所です。いろいろな生物が採集されたのですが、何…

豊国崎海岸(6/30)で採集されたウミウシ類2種

1. ラメリウミウシ属の一種 Onchidoris sp.(図1) 匍匐性のコケムシ類を捕食するウミウシで,転石裏に3個体付着していました.写真だと少しわかりにくいのですが,背面全体に乳頭状の小突起を多数もつのが特徴です.同様の食性を示す種にナガヒゲイバラウミ…

豊国崎のコケムシとウミグモ

1.シメジヤワコケムシ Alcyonidium mamillatum ケアシホンヤドカリが入った貝殻の表面全体を覆うコケムシです(写真1、2)。山下さんが採集してくれました。Alcyonidium属のコケムシには、指状に立ち上がった群体を作るものと、このように貝殻や他物表面を覆…

豊国崎のスンナリヨコエビ類

以前より当研究会の定点調査ではスンナリヨコエビ類が普通に出現するのがわかっていましたが、種名は不明でした。最近ようやく下記の論文が出版されたので、最も多く出現するホソベニスンナリヨコエビ Orientomaera obliquua を紹介します。本種は写真(6月3…

本日の定点調査(豊国崎)

本日の豊国崎定点調査は、予定どおり実施します。

豊国崎定点調査(6/30)のご案内

今年最後の定点調査は豊国崎です。皆様の参加をお待ちしています。実施日:6月30日(土) 調査地:岬町多奈川 豊国崎海岸 集合:10時45分、南海電鉄多奈川駅前。難波からは9:45発特急サザンに乗車、みさき公園駅で多奈川行に乗り換え。多奈川駅から現地まで…

田倉崎のウミグモ

昨日はよい天気でよかったですね。当日採集されたウミグモですが、「磯の生き物図鑑」にも載っているシマウミグモ Ammothea hilgendorfi でした。ただし、縞模様はありません。歩行肢の先端に爪が3本あることで、近縁のフタツメイソウミグモ A. biunguiculata…

田倉崎定点調査(6/17)のご案内

第3回の定点調査を次の要領で実施します。多数の参加をお待ちしております。実施日:6月17日(日) 調査地:和歌山市加太、田倉崎海岸 集合:11時50分、南海電鉄加太駅。難波10:15発特急サザンに乗り、和歌山市駅で加太線に乗り換え。加太駅11:49着。 加…

長崎のモスソフクロボヤ

モスソフクロボヤ(Molgula hozawai) 体全体が砂粒で覆われ、黒っぽく見えるホヤです(写真上)。それでも入水管と出水管は辛うじてみつけることが出来ます。どちらが入水管でどちらが出水管かは見た目ではよくわかりませんが、外皮を剥がしてみた結果、写…

長崎海岸の紅藻

昨日の観察会、お疲れ様でした。当日報告した3種の紅藻について紹介します。 1.フタツガサネ Antithamnion hubbsii 細い糸状の海藻ですが、顕微鏡で見ると、とてもきれいです。 2.カザシグサ Griffithsia japonica 直径数センチの塊状の海藻です。拡大す…

戎崎のカイメンとコケムシ

1.Pseudosuberites kunisakiensis Hoshino, 1981(和名なし) あまり特徴のない、色彩も地味な薄っぺらなカイメンです。大きさは写真のようです。厚さは場所により2-5mmくらいでした。 骨片は片方の先端が球状に膨らみ、もう片方の先端が尖った瘤状体です。…

長崎海岸定点調査(4/30)のご案内

第2回の定点調査を次の要領で実施します。実施日:4月30日(月・祝) 調査地:岬町 長崎海岸 集合:10時、南海電鉄みさき公園駅、公園側の改札を出た所。難波9:10発特急サザンに乗るとみさき公園9:57着。 干潮時刻: 12:58 解散:午後3時ごろ、現地で 持…

戎崎のクロガシラとドロソコエビ

昨日の戎崎の観察会、実施できてよかったですね(寒かったですけど)。当日採集された2種について紹介します。 現地のまとめで「クロガシラ類」と報告した海藻は、ヒジキの軸に付着していたもので、毛の束状の小型褐藻です(写真1)。実体顕微鏡で見るとY字…

本日の戎崎定点調査は実施です

本日の戎崎定点調査は予定通り実施します。 (石田)

戎崎定点調査(4/15)のご案内

今年第1回の定点調査を次の要領で実施します。昨年は雨で中止となりましたので再挑戦です。実施日:4月15日(日) 調査地:和歌山市大川 戎崎海岸 集合:9時50分、南海電鉄多奈川駅前。難波からは8:45発特急サザンに乗り、みさき公園駅で多奈川行きに乗換え…

コケムシの話題二つ

4月1日に城ケ崎へ行った折、何種類かのコケムシを採集しましたが、そのうちの二種についての話題を提供します。 その二種とは、以下の写真の黄白色のコケムシ(黄色矢印)と赤褐色のコケムシ(赤矢印)です。黄白色の方は、エリアナコケムシ、赤褐色の方はチ…

二月の海藻 

今日は天気がよく潮もそこそこ引くので、城ヶ崎と長崎に行ってきました。冬は真夜中しか潮が引かないように言われていますが、実は2月後半になると午後にも潮が引きます。本日午後の最干は和歌山15:11、淡輪15:47で、潮位表の値は両方とも+42cmです。海岸…

磯に出会いあり1 ハマシイノミガイ

大阪湾海岸生物の皆様、寒い中いかがお過ごしでしょうか。竹之内です。大阪湾海岸生物のブログに少し“にぎやかし”をやろうと思います。武器は防水のデジカメ1つです。 昔と違って海岸にカメラを持っていくのもそれほど気を使わなくてもよくなってきました。…

2018年度の予定

先日総会を終え、今年度の行事計画が以下のように承認されました。今年も奮ってご参加ください。■定点調査 <>内は淡輪の干潮 ・4月15日(日)戎崎 <12時29分、31cm> ・4月30日(月祝)長崎(海べのしぜん補助スタッフ研修) <12時58分、18cm> ・6月17…

大阪湾海岸生物研究会 2018年研究発表会・総会プログラム

2月4日(日)の大阪湾海岸生物研究会の研究発表会・総会のプログラムをご案内します。奮ってご参加ください。なお、たくさんの方にご発表頂けることになりましたので、開始時間を当初予定より30分早め、午後1時ちょうどからとしました。ご注意ください。 入…

総会のお知らせ

大阪湾海岸生物研究会の総会を以下の通り開催します。どうぞ奮ってご参加ください。発表希望の方は、以下の要領に従って演題をお知らせください。 日時:2018年2月4日(日)午後1時30分〜5時(予定) 場所:大阪市立自然史博物館 集会室(通用口からお入りく…