本日の定点調査(戎崎)は予定通り実施します。
(石田)
本日の定点調査(戎崎)は予定通り実施します。
(石田)
4月7日の定点調査で持ち帰った種について報告します.
ヒモイカリナマコ Patinapta ooplax (von Marenzeller, 1882)
この仲間は,体の表面に船の錨のような骨片をもちます.
ヒモイカリナマコツマミガイ Hypermastus lacteus (A. Adams, 1864)
ヒモイカリナマコの体内に内部寄生する大きさ2mmぐらいの小さな巻貝です.
ユメウミウシ Notobryon wardi Odhner, 1936
同属のツメウミウシN. clavigerumに似ますが,触角鞘の前方にキール状の隆起が無い点,背面にある2対の葉状突起頂端部に爪状の小突起を持たない点等で見分けることができます.
(柏尾)
Tanystylum ulreungum 和名なし
イタボヤ科(ボトリルス科)のホヤと一緒に採集されました。肢を拡げても4mmくらいの小型のウミグモです(写真1)。鋏肢がありますが、写真2の矢印aで示すように鋏節は退化的で、イソウミグモ科のウミグモであることがわかります。さらに体が円盤状(写真1、2)で接脚突起(写真2矢印b)が互いに密着すること、担卵肢が10節あること(写真3)、触肢が4から7節の間であること(写真4)でTanystylumという属であることがわかります。本種の特徴は、触肢が5節であること(写真4)、接脚突起の背面先端に1つの小さな剛毛があること(写真5矢印)、歩行肢の腿節腹側に膨出部があること(写真6矢印)などです。これらの特徴によってTanystylum属の他の種と見分けることが出来ます。
本種はこれまで韓国、相模湾、小笠原などから記録されています。(大谷)
引用文献
Nakamura, K. and C. A. Child (1983) Shallow-water Pycnogonida from the Izu Peninsula, Japan. Smithsonian Contribution to Zoology, 386: 1-71.
写真1 全体 写真2 鋏肢(a)と接脚突起(b)
写真3 担卵肢 写真4 触肢
写真5 接脚突起先端の剛毛 写真6 腿節腹側の膨出部
第1回の定点調査(豊国崎)は好天に恵まれました。続いて第2回(戎崎)を次の要領で実施します。
実施日:4月20日(土)
調査地:和歌山市大川 戎崎海岸
集合:9時50分、南海電鉄多奈川駅前。難波からは8:45発特急サザンに乗り、みさき公園駅で多奈川行きに乗換え。駅から現地まで会員の自家用車に乗り合わせて移動します。
干潮: 13:19、9cm
解散:午後3時ごろ、現地で
持ち物:観察・採集用具(ルーペ、野帳など)、弁当、軍手、タオル。
参加対象:本会会員と同伴者
申込:事前の申込みは不要です。
その他:雨天中止。当日の朝、はっきりしないときは、午前6時以降にこのブログで確認してください。
https://osakawan.hatenablog.com/
※大阪湾海岸生物研究会の会員登録は随時できます。本会のウェブサイトをご覧ください。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/iso/okk/index.html
※定点調査については同じサイトの定点調査のページをご覧ください。
昨日の豊国崎の出現種ですが、以下のように修正します。
・ヒラタウミセミorハバヒロコツブムシ→ハバヒロコツブムシ(採集した3個体とも本種でした。実は観察会終了後、すぐそばの東川河口でも採集を行いましたが、プロポーションが異なっており、別種の可能性があります[写真1参照])
・テッポウエビ属→オハリコテッポウエビandテッポウエビ属の1種(2個体採集したのですが、両種が1個体ずつでした。なお、オハリコの頭胸甲の内側にはエビヤドリムシ類が寄生していました[写真2参照])
追加種は次の通りです。
・シリケンウミセミ
・ヒゲナガワラジムシ属の1種 Olibrinus sp.[写真3参照]
(当初はニッポンヒイロワラジムシ Littorophiloscia nipponensis としていたのですが、第2触角の鞭節が11節あることから訂正します。ヒイロの節数は3節で全く違います。種名としては、クシモトヒゲナガワラジムシ O. kushimotoensis、クロシオミギワワラジムシ O.pacificus の可能性があります) (有山)
写真1.ハバヒロコツブムシ(左:東川河口産、右:豊国崎産、スケール:1 mm)
写真2.オハリコテッポウエビに寄生しているエビヤドリムシ類(写真の上がエビの前方、スケール1 mm)
写真3.ヒゲナガワラジムシ属の1種(尾肢脱落、スケール:1 mm)