大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

磯に出会いあり1 ハマシイノミガイ

大阪湾海岸生物の皆様、寒い中いかがお過ごしでしょうか。竹之内です。

大阪湾海岸生物のブログに少し“にぎやかし”をやろうと思います。武器は防水のデジカメ1つです。
昔と違って海岸にカメラを持っていくのもそれほど気を使わなくてもよくなってきました。
磯で出会ったものを気軽に撮るようになったので、その中から1枚を選んで、紹介していきたいと思います。
題して 磯に出会いあり です。どうぞよろしく。

磯に出会いあり その1  ハマシイノミガイ  Melampus nuxeastaneus Kuroda, 1949

 2017年田倉崎。田倉崎でも潮上帯の岩陰、この貝は決して直射日光が当たらないような岩の隙間に住んでいる。
したがってじっとしているときは目に触れないことも多い。この写真はたまたま濡れている岩面を這っている姿を撮ったものである。

 オカミミガイ科の生息環境を私なりに考えてみると、「潮上帯の安定した日陰」である。
上を樹木が覆っている転石浜上部や石積みの間、ゴツゴツした琉球石灰岩の奥、背の高い芦原が続くところ、浜辺に大量に打ち上げられた草やゴミの下。自然のままの浜にはそのような環境がふんだんにあるのでオカミミガイ科の貝を求めるときにはそういうところを探している。もう遠い昔になるが、オカミミガイを伊勢・松阪の川で観察したのも良好な芦原であった。いまでもいるのだろうか。