定点調査とは別に豊国崎に行って来ました。
ハバヒロコツブムシ Chitonosphaera lata が目的だったのですが、同属のヨロイコツブムシ Ch. salebrosa が採集されました。体長は最大2.8mmと小型で、ハバヒロコツブムシやヒラタウミセミ Leptosphaeroma gottschei (下記参照)と同じように極度に扁平な等脚類です。
ヒラタウミセミとハバヒロコツブムシ - 大阪湾海岸生物研究会のブログ (hatenablog.com)
ヨロイコツブムシは胸節の縁辺が丸みを帯び、縁辺に細毛が生えないこと、第1触角が頭部の前方に広がらないこと、体の前部に褐色斑があることで他の二者と区別できます。定点調査で平べったいのが出現したら、本種の可能性もありますので、丁寧に調べる必要があると思います。
なお、本種は大阪湾から既に報告されています(Nunomura & Nishimura, 1976)。
(有山)
7月21日追記 昨年の田倉崎と豊国崎の標本および先日採集した長崎の標本を見たところすべて本種で、ハバヒロコツブムシは含まれていませんでした。なお、4月9日に友ヶ島孝助松で採集したものはハバヒロコツブムシでした。両種の分布域が変化しているのかもしれません。(有山)