大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

阪南市のメガイアワビ

大阪湾には以前から岬町を中心としてトコブシ、クロアワビ、マダカアワビの3種のアワビ類が生息しており、かなり大型のものも採集されることがあります(Nature Study 1993-2号参照)。先日来客があったので、阪南市箱作の鮮魚店でアワビ2枚を購入したところ、今までに記録のないメガイアワビだったので報告します。店長に訊いたところ、地元の漁師さんが潜って獲ったものだそうです。殻長は117mm、107mmと小型でした。殻の形は丸みを帯び、明らかにクロアワビとは違います。一見マダカアワビと似ますが、マダカアワビより厚みがなく、呼吸孔は低く、殻表面が滑らかです(マダカアワビの小型個体は波打ちます)。現在パリでCOP21が開催され地球温暖化について論議されていますが、紀伊半島に普通に生息するメガイアワビが温暖化の影響で北上した可能性が考えられます。(有山)