大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

田倉崎で採集された珍しい動物

 今回の調査では多くの種類が確認されました。私は最干時に先端近くで、水中の小岩を持ち上げタモの上にすばやく移動し、揺すって動物を採集しましたが、その時に採れた珍しい動物を紹介します。
 一番目はトウヨウコシオリエビGalathea orientalisで(上写真)、定点調査としては初めてだと思います。この種はエビではなくヤドカリ下目で、腹部は体の下面に折りたたまれています。採集個体のはさみの先から折り曲げ部までの長さは約2cmでした。本種は潮下帯の岩礁には普通に生息していて、カサゴの胃の中からもよく出てきます。
 二番目はウニなのですが(下写真)、種類がよくわかりません(コメツブウニの仲間かも?)。殻は楕円形で、きれいな緑色をしています。ただ、非常に小さく、3mm×2.5mmほどでした。現地では確認できないので、リストに含めない方がよいと思います。
 三番目は、ヒメギボシムシPtychodera flavaです。大きさは最大で約3cmです(途中で千切れていると思います)。写真はありませんが、以前にここで採集されたものと同じです http://f.hatena.ne.jp/soishida/20070617160353。こんな所にいるのですね。(有山)