大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

阪南市のウスバミル

もうすぐ合宿だというのに、台風の動きが心配です。
さて、その合宿に備えて、ピチピチビーチで素潜りの練習をしました。離岸堤付近を潜ったところ、水深3〜4mの所に濃緑色の幅広い海藻が多く生えていました。持ち帰って調べた結果、以前にも紹介したウスバミル Codium tenuifolium Shimada et al., 2007 であることがわかりました。 http://d.hatena.ne.jp/osakawan/20140718
大きさは40×60cmほどで、厚みは1mm未満です。小さな基部(矢印)から生えており、分岐はありません。小嚢は太短い棍棒状でした。生育状況から、大阪湾南部の潮下帯には普通に生育しているものと思われます。(有山)


[文献]
柴田健介 2014. 瀬戸内海で記録されたウスバミルとオオハイミル(アオサ藻綱,ハネモ目,ミル科).南紀生物,56,30-33.
Shimada, S., Tadano, T. and Tanaka, J. 2007. Codium tenuifolium (Codiales, Chlorophyta), a new species from Japan. J. Jpn. Bot. 82, 117-125.