大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

ガザミ類の殻

コロナや猛暑で大変なことになっていますが、お変わりございませんでしょうか。

私は週に数回、泉南さとうみ公園でウォーキングしているのですが、今日、波打ち際でガザミ類稚ガニの脱皮殻を拾いましたので、報告します。計16個で、いずれも淡輪側(ときめきビーチ)でした。種類を調べたところ、ガザミ Portunus trituberculatus が8個(甲幅24~37mm、写真1)、ジャノメガザミ P. sanguinolentus が7個(甲幅26~36mm、写真2)、タイワンガザミ P. pelagicus が1個(甲幅32mm、写真3)でした。なお、種の同定は有山(2001)を参考にしましたが、ジャノメはすべて甲に斑紋があり容易でした。ガザミとタイワンは鉗脚長節前縁の棘が4本か3本かで識別できますが、これ位のサイズの稚ガニでは、鉗の不動指がガザミでは白色であるのに対し、タイワンは赤色であることでも区別できます。

熱中症に気を付ける必要はありますが、こんなビーチコーミングもいかがでしょうか。(有山)

[文献]

有山啓之(2001)大阪湾におけるタイワンガザミの生態について.大阪水試研報,13,19-22.http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/_files/00056113/13-3.pdf

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写真1.ガザミ(甲幅37mm)

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写真2.ジャノメガザミ(甲幅36mm)

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写真3.タイワンガザミ(甲幅32mm)

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ガザミ類3種の稚ガニにおける甲および鉗脚長節の形態の比較(上段:ジャノメガザミ、中段:ガザミ、下段:タイワンガザミ)[有山(2001)より]