大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

豊国崎潮下帯のヨコエビ

1986年に採集したことのあるヨコエビを狙って、豊国崎に行ってきました。水深3〜4mの海底で、岩横の貝殻と砂利が堆積した場所なのですが、潜ると昔の記憶と様子が全く異なっていました。前は岩の側面にコベルトフネガイがびっしり付着していて、私が近づくと急に殻を閉じびっくりしたのですが、コベルトフネガイは全くなく、岩の下の貝殻堆積もわずかでした。近年、ムラサキイガイが極度に減少し、潮間帯でもマガキからケガキへと遷移していますが、コベルトフネガイの激減も関連している可能性があります。最近よく論議されている栄養塩不足の影響が表れているのかもしれません。案の定、目的種は採集できませんでしたが、オヤユビヨコエビ(上)とニッポンメリタヨコエビ(下)が大量に生息していました。(有山)