大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

豊国崎で見つかったウミウシ

ヒメチシオウミウシ Thordisa sanguinea Baba, 1955

 

大きくなっても10mm程度の小型種です.背面の正中線上に暗褐色の眼紋が数個あり,そこから細長い突起が伸長します.白い矢印で示している部分に少しわかりにくいですが眼紋が確認できます(写真1).

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写真1. ヒメチシオウミウシ

本種は歯舌に特徴があり,鎌状をした側歯は内側にいくほどサイズが小さくなります(写真2).また,外側の側歯は先端部が櫛歯状に分岐します(写真3).

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写真2. 内側歯

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写真3. 外側歯

見た目の似るヤマトウミウシは全ての歯が鎌状をしており,外側の側歯は櫛歯状になりません.

大阪湾では初記録になります.

(柏尾)