大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

城ヶ崎個別調査

雨が上がりかけていたので、城ヶ崎に行ってきました。こんな日に来る人はいるのかな、と思っていたら、何と5名以上の会員が来ていました(写真1)。

潮はそれほど干かなかったのですが、かなり多くの種類が観察できました。ここでは、シラモ Gracilaria parvispora  (写真2)という海藻を紹介します。

本種は本来やや内湾的な環境に生育するのですが、潮間帯上部の小さなタイドプ-ル中に生育しているのが確認されました。近縁のオゴノリ Gracilaria vermiculophylla (写真3)と似ていますが、体がやや硬いこと、色が緑がかること、枝の基部が強くくびれることで区別できます。オゴノリは汽水域に生息する種ですが、城ヶ崎のタイドプールにも生育しており、淡水の流入が推測されます。実は大阪湾にはもう1種、阪南市の砂浜に生育する藻長2m以上になる暗紅色のものがあります。ツルシラモ Gracilaria chorda の可能性があるものの、嚢果を付けないため種名は確定していません。(有山)

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写真1.本日の城ヶ崎

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写真2.シラモ

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写真3.オゴノリ