大阪湾海岸生物研究会のブログ

大阪湾海岸生物研究会の活動(定点調査や勉強会)の案内や記録のほか、大阪湾を中心とする海の生き物について書きます。

嵐の後のウミウシ

okkの皆様 相変わらずのコロナですが、いかがお過ごしでしょうか。 今日、大風が吹きましたので、夕方にぴちぴちビーチを散歩したところ、変わった生物を採集しました。 普段は打上ることのないウミウシ類が2種、生きたまま打上っていました。 写真1は約13cm…

豊国崎のセムシマドアキガイ

豊国崎の定点で有山さんが転石下から採集された笠形の貝を持ち帰って調べたところ、セムシマドアキガイRimula cumingii A. Adams, 1853でした。殻の前側、正中線の肋上にしずく型の孔が開きます。「干潟の絶滅危惧動物図鑑」(日本ベントス学会編, 2012)で…

豊国崎のメリタヨコエビ

昨日の観察会はほとんど雨が降らずに、よかったですね。 「まとめ」の結果の補足・追加です。 ・ウミグモ類はシマウミグモでした。 ・ハバヒロコツブムシはこの種とヒラタウミセミが混在していました。 ・テッポウエビ属も2種が混ざっていました。詳細は下記…

本日の豊国崎定点調査は実施します

本日(6月26日)の豊国崎定点調査は予定どおり実施します。念のため雨具をお持ちください。(石田)

豊国崎定点調査(6/26)のご案内

大阪府に出されていた緊急事態宣言が解除されましたので、6月26日(土)の定点調査は実施します。ただし感染リスクを少しでも減らすため、今回は自家用車の乗り合いが必要になる戎崎ではなく、豊国崎に変更します。また、雨天の場合は翌27日(日)に順延しま…

城ケ崎のコケムシ

コブヒラコケムシ Schizoporella japonica 黄白色の色彩のコケムシで、腹壁には全体にわたって偽孔と呼ばれる孔状組織が分布しています。また、虫室口の下縁にはU字型の湾入があって、多くの場合、その片側または両側に鳥頭体があります(図1、図2)。この種…

城ヶ崎個別調査

雨が上がりかけていたので、城ヶ崎に行ってきました。こんな日に来る人はいるのかな、と思っていたら、何と5名以上の会員が来ていました(写真1)。 潮はそれほど干かなかったのですが、かなり多くの種類が観察できました。ここでは、シラモ Gracilaria parv…

6月13日(日)の城ヶ崎定点調査は個別調査に切り替えます

緊急事態宣言が6月20日まで延長されたことに伴い、4月の田倉崎、5月の長崎に引き続き、6月13日(日)の城ヶ崎の定点調査も個別調査に切り替えます。今年6月中旬から6月下旬までの間、個人的に城ヶ崎へ行く人がいれば、出現種を記録しておいてもらい、それら…

長崎海岸のフジツボ

フルイヒラフジツボ Tetraclitella (Eotetraclitella) pilsbryi 有山さんが長崎海岸を訪れた翌々日(15日)、私もそこへ行ってみました。そのときちょっと珍しいフジツボを見つけましたので報告します。下の写真1がそうなのですが、フルイヒラフジツボと言い…

長崎個別調査

昨日、長崎海岸に行ってきました。今回は一人ぼっちです。 潮の引きはもう一つだったのですが、そこそこ種数は出現しました。 そこで見つかった海藻と二枚貝を1種ずつ紹介します。 これはハバモドキPunctaria latifoliaという褐藻です。タイドプールの中に生…

田倉崎個別調査

okkの皆様 非常事態宣言で大変なことになっていますね。 さて、当研究会の田倉崎定点調査は昨日(4/29)の予定だったのですが、コロナの関係で中止になったので、本日、個別調査に行ってきました。私一人かなと思ってたのですが、他に3名の方が来られていま…

大阪湾海岸生物研究会 2021年研究発表会・総会プログラム

今年の研究発表会・総会はZoomで行います。会員の方にはZoomのアドレスをお知らせしました。非会員で研究発表を聴講ご希望の方は、大阪市立自然史博物館の石田(iso@mus-nh.city.osaka.jp)までお問い合わせください。 日時:2月21日(日) 13時30分〜17時3…

大阪湾海岸生物研究会公開講演会「日本のウミウシよもやま話 〜70年にわたる地域調査から話題の最新研究まで」(2月28日開催)

殻をもたない海の貝の仲間のウミウシは、そのカラフルさ、かわいさから人気の生き物です。日本はウミウシの多様性においても、また情報量の多さでも世界で有数の地域です。今回の講演会では先人の足跡から現在の到達点まで、観察や研究のよもやま話を聞いて…

ココポ-マアカフジツボ

またビーチコーミングのお話です。 一昨日(10月15日)、ときめきビーチ(岬町淡輪)を歩いたところ、カルエボシ Lepas anserifera と赤いフジツボが付着している洗剤のプラスチック容器が打ち上っていました。フジツボは定点調査でも出てくるアカフジツボ M…

矢倉海岸のムラサキウミトビムシ

昨日の調査で報告したムラサキウミトビムシのついて紹介します。 まず現地での写真: ムラサキウミトビムシ。2020年10月4日。矢倉海岸。 ヨシ群落の近くの転石の裏に密集していました。白いものは彼らの居場所に限って見られ、脱皮殻のようにも見えます。 持…

矢倉海岸の小型甲殻類

昨日は思ったよりも潮が引いて、よかったですね。私が採集した小型甲殻類を報告します。ヨコエビ3種、等脚類1種です。 1. ニホンドロソコエビGrandidierella japonica 泥干潟にきわめて普通のヨコエビです。ドロソコエビ属は他のヨコエビ類と異なり、オスの…

本日の矢倉のベントス調査会は実施します

本日の矢倉のベントス調査会は予定どおり実施します。(石田)

矢倉のベントス調査会(10月4日)

今年は定点調査の回数が少なく、また合宿も中止になってしまいましたので、研究会としても活動量が落ちています。そこで、秋のイベントとして矢倉干潟(西淀川区)でのベントス調査会を企画しました。実は矢倉干潟では2019年以降、大阪湾生き物一斉調査の調…

ガザミ類の殻

コロナや猛暑で大変なことになっていますが、お変わりございませんでしょうか。 私は週に数回、泉南さとうみ公園でウォーキングしているのですが、今日、波打ち際でガザミ類稚ガニの脱皮殻を拾いましたので、報告します。計16個で、いずれも淡輪側(ときめき…

豊国崎のウミシダ:マキエダコアシウミシダ

豊国崎の定点調査で見つかったウミシダの不明種について、小郷一三先生に同定して頂きました。マキエダコアシウミシダ Comanthus wahlbergii (Müller, 1843) とのことでした。日本近海での記録は相模湾・佐渡島を北限とする南方系の種で、大阪湾では初記録と…

豊国崎で見つかったウミウシ

ヒメチシオウミウシ Thordisa sanguinea Baba, 1955 大きくなっても10mm程度の小型種です.背面の正中線上に暗褐色の眼紋が数個あり,そこから細長い突起が伸長します.白い矢印で示している部分に少しわかりにくいですが眼紋が確認できます(写真1). 写真…

豊国崎でみつかったカイメンとヒモムシの紹介

豊国崎で2020年6月21日に見つかったカイメンとヒモムシについて紹介します。 海綿動物 石灰海綿綱 タテジマカイメン Heteropia striata 加戸さんが見つけてくれました。白っぽい色彩のカイメンで、いくつもの管が立ち上がりますが、それぞれの管の下端で互い…

本日の豊国崎定点調査は実施します

本日の豊国崎定点調査は予定通り実施します。(石田)

ニッポンニセツノヒラムシ

6月7日の田倉崎定点調査で見つかったヒラムシです。絵合わせになりますが、薄ピンクの地に黒っぽい不規則な斑点、体側のオレンジと黒の縁取りなどの特徴から、ニッポンニセツノヒラムシ Pseudoceros nipponicus Katô, 1944としてよいと思われます。房総半島…

本日の田倉崎定点調査は実施します

本日の田倉崎定点調査は予定通り実施します。(石田)

5月9日(土)の定点調査(長崎)は中止します

5月9日(土)に予定している定点調査(長崎)についてのお知らせです。5月4日に緊急事態宣言が月末まで延長されることが決まり、大阪府では外出自粛要請が継続する見通しです。このような状況を踏まえて、世話人会で相談し、5月9日(土)の定点調査を中止す…

4月11日(土)の定点調査(城ヶ崎)は中止します

4月11日(土)に予定している定点調査(城ヶ崎)についてのお知らせです。新型コロナウイルス感染症についてはご承知の通りですが、特に大阪府では先週末から状況が急激に変化し、感染拡大の様相を呈しています。定点調査自体は屋外活動のため感染リスクは少…

大阪湾海岸生物研究会 2020年研究発表会・総会プログラム

2月16日(日)の大阪湾海岸生物研究会の研究発表会・総会のプログラムをご案内します。奮ってご参加ください。 入場方法: 博物館南側の通用口からお入りください。通用口で守衛室に「大阪湾海岸生物研究会の総会出席」と告げて集会室へお進みください。 演…

ヤマトヌマエビ

最近ブログが更新されていないので、海ではなく川の生物ですが紹介します。今日、ニッポンヨコエビ Gammarus nipponensis を採集しに阪南市の川の上流に行ったのですが、小型のエビも採集されました。体長16~23mmの4個体です。名前を調べたところ、普通種の…

串本合宿でみつかった生物あれこれ

串本合宿でみつかったいくつかの種を紹介します。(大谷) 1.シロスジホシムシ Phascolosoma albolineatum 田並の潮間帯で岩の間から発見されました。白っぽい色彩の体表を透して表皮の内側を縦に走る筋肉の束を持っことがわかります。これはサメハダホシム…